厄介なスパムメール、その基礎知識と対策方法

スパムメール

Eメールを日常的に利用していれば避けて通れないのが、スパムメールと呼ばれる迷惑メール問題です。
長年にわたり、多くのサーバー会社やプロバイダー会社がその根本解決のための対策を取り続けていますが、いまだに迷惑メール業者やその被害者が減っている兆しはありません。

スパムメールの多くは宣伝目的ですが、中にはリンクや添付ファイルを開くだけでPCに悪影響を及ぼすような、非常に有害なケースも数多く報告されています。
近年では個人ユーザーを狙ったものだけでなく、大手企業を狙い撃ちする事例も増えてきました。
スパムメールからPCを守るための対策は、ビジネスを運営する上でも欠かせないものとなってきているようです。

今回の記事ではそんなスパムメールの基礎知識と対策方法について、解説してきます。

スパムメールにはどんな種類があるの?

スパムメールの多くは単なる広告で、その内容に興味がなければ害があるものではありません。
しかし一方で、ユーザーのPCに何らかの悪影響を及ぼしてきたり、ユーザーの個人情報を盗んだりするなどの、有害なスパムメールも多数存在しています。
有害なスパムメールは、主に下記の3種類に分類されます。

フィッシングメール

フィッシングメールは、メール受信者の個人情報を盗む(=フィッシングする)目的で送られてきます。
その方法は非常に巧みで、実在の大手ECサイトや金融機関からのメールを装い、「登録情報を確認してください」「アカウントの利用が一時停止されました」などの不安を煽るような文言で、ユーザーが偽のwebサイトにアクセスするように誘導してきます。
そしてその偽サイトのログイン画面でユーザーにパスワードを入力させ、ID/パスワードやクレジットカード情報などを盗み取ります。

何か怪しいと感じたら、決してログイン情報を入力しないでおきましょう。そうすることで被害は避けられます。

ウイルス型メール

ウィルス型メールは、ユーザーのPCをウィルスに感染させることを目的としたメールです。
ウィルスに感染すると、PC内の個人情報が盗まれたり、悪意のある第三者にPCを遠隔操作されるなどの被害を受けます。

メール内のURLをクリックしたり添付ファイルを開いたりすると感染しますので、不審なメールに記載されたURLや添付ファイルは開かないようにしましょう。

標準型メール

標的型メールとは、不特定多数ではなく金融機関や官公庁など、特定の企業や団体を狙ってメールを送りつけるタイプの迷惑メールです。
いかにも通常の業務メールのような内容を装い、ウィルスなどが仕込まれた添付ファイルを受信者に開かせるように誘導してきます。
これにより、重要な情報を盗み取られたり外部からハッキングされたりなどの被害が出ているようです。

スパムメール被害を未然に防ぐ対策方法

サーバー上でフィルタリング設定をする

多くのメールサーバーが、無料のオプションサービスとしてフィルタリング設定を用意しています。
まずはこれをしっかり設定しておきましょう。
スパムメールがユーザー側に届く手前の段階で、ブロックすることができます。

迷惑メール機能を活用する

メールソフトには、スパムメールのフィルタリング機能(迷惑メールフィルタ機能)があるので、こちらもきちんと設定をしましょう。

スパムメールがどのように振り分けられ処理されるかは、使っているメールソフトやユーザーの設定によっても異なりますが、多くの場合、スパムメールと判断されたメールは自動的に迷惑メールフォルダに送られますので、スパムメールに煩わされることが大幅に減ります。

フィルタをすり抜けて受信フォルダに届いてしまったスパムメールは、迷惑メールとして報告したり振り分けたりすることで、以後は同じアカウントから届くことはなくなります。

メールの件名や内容に不審点がないかチェックする

大手企業を装ったフィッシングメールは、日本語の言い回しが不自然であったり日本では使われていない漢字が混じっていることがあり、それで見分けられる場合があります。
リンク先ですぐに個人情報を入力させるようなメールが届いたら、メールの内容や件名などに不審点がないか入念にチェックしましょう。
リンク先のURLをよく見ると、その企業の本物のwebサイトとは微妙に異なっているというケースも多いので、記載されているURLも本物と偽物を見分けるヒントになります。

また、友人知人からのメールであっても、送信元がウィルスで乗っ取られている場合があります。
メールの文面や口調が普段と異なっていたり、不審なURLや添付ファイルが添えられていたら、スパムメールの可能性が高いです。
そのような場合は、送信元の人物に、Eメールとは別の方法で確認を取りましょう。

差出人アドレスや宛先などをしっかりチェックする

心当たりの無い個人名やアドレスを登録した覚えがない企業から送られてきたメールなら、すぐにスパムではないかと警戒することができますが、そうでないケースも多々あります。
大手EC通販サイト、大手金融機関など、ユーザーが利用している可能性が高い企業を装ってくるメールも多いのです。

内容や件名などに心当たりがなく不審に感じるメールは、差出人のアドレス・宛先などをチェックしてみましょう。
メールアドレスが該当企業のものとは微妙に異なっていたり、宛先が個人名ではなく「メールアドレス+様」となっている場合などは、注意が必要です。

セキュリティソフトを利用する

スパムメールを自動的に検知する専門セキュリティーソフトを導入し、最新のバージョンに保つことで、スパムメールの駆除ができます。
すでにお使いのセキュリティソフトの中に、そうした機能がオプションでついている場合もありますので、あらためて確認してみることをおすすめします。

もし不審なURLやファイルをうっかり開いてしまったら?

送信者が企業であれ個人であれ、心当たりがない送信者からのメールに記載されているURLは、絶対にクリックしない。そして添付されているファイルは絶対に開かない。
これがスパムメール被害を未然に防ぐ、大原則です。

しかし、そのつもりはなかったのにうっかり開いてしまった、ということもあるのではと思います。
もし他のPCとネットワークでつながっているPCを使っているときに、うっかり怪しいリンクをクリックしたりファイルを開いてしまった場合は、他のPCに感染しないように、すぐにネットワークから遮断しましょう。
LANケーブルを抜いたり、wifiを切ったりなどすることで、他のPCへの影響を防ぐことができます。

そしてネットワークとつながっていてもいなくても、スパムメールによるウィルスや感染の恐れがある場合は、すぐにセキュリティソフトでPCをスキャンし、ウィルスの駆除をしましょう。

最後に

スパムメールがこの世界から一掃される見込みは当分はなさそうですが、適切な対策を取っていれば、その被害に遭うことは滅多にありません。
逆に言えば、何の知識も対策も無くEメールを使っていれば、被害に遭ってしまう可能性は誰にでもあります。

スパムメールの傾向や対策をしっかりと学び、インターネットのセキュリティに関する最新情報に常日頃から注意を払って、今後も安全にEメールを活用していきたいですね。

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